ここでは BeatWord の高度な編集機能に関して説明します。
BeatWord では、同じ個所に対して、和文フォントと英文フォントをそれぞれ別 の属性として持つことができます。このしくみは一般的にはフォントペアと呼ば れています。ですから日本語の文字に対して英文フォントを指定しても文字化け が発生することがありません。
フォントペアのしくみが便利なのは、一度に大きな範囲を選択してから、フォン トを指定する場合です。指定範囲に日本語や英語が混在した状態で、英文フォン トを指定すると、英数字に対してのみ指定した英文フォントが適用されます。
[文字]-[英文フォント]-[和文フォントを使用] のメニュー項目は、このフォン トペアのしくみを無効にして、英文字に対して和文フォントを使用する特殊な属 性です。一般的に、和文フォントの中の英文字はプロポーショナルフォント(幅 が文字によって異なる)ではないので、英文に対しては別途、英文フォントを使 用した方が見た目が綺麗な文章が出来上がります。
[文字]-[和文フォント]-[明朝] と [文字]-[和文フォント]-[ゴシック]のメニュー 項目は、[明朝]と[ゴシック]の仮想フォントを選択するメニュー項目です。仮想 フォントとは、BeatWord が動作している Windows で、一番、明朝やゴシック文 字としての条件を整えたフォントをシステムのフォント情報から自動的に選択す る機能です。
仮想フォントとして具体的にどのフォントが選ばれるかは、Windows にどのよう なフォントがインストールされているかによって異なります。
仮想フォントは、文章を配布する際に、相手の Windows にどのようなフォント がインストールされているかによらず、とにかく[明朝]や[ゴシック]の見栄えの フォントにしたいという場合等に便利です。
見栄えの良い文章を作成するには、文字や段落に様々な属性をつけていきます。 章や節の見出しや本文などは、同じような文字や段落属性をつけることが多く なります。同じ属性を複数の個所に何度も設定するのは苦労しますし、ミスも 増えてきます。
このような場合には「文字スタイル」や「段落スタイル」を使うと同じ属性の 組み合わせをたった一度の手順で設定できて便利です。
BeatWord の「文字スタイル」と「段落スタイル」の定義方法は非常にシンプル です。まず、文章の一部に好みの文字や段落属性を付けます。この属性を設定 した個所にキャレットを移動して、[文字]-[スタイル]-[定義] メニューをクリ ックしてください。[文字スタイル定義] ダイアログボックスが開きます。

ここに好みのスタイル名を入力して、[了解] ボタンをクリックすると、 文字スタイルが定義されます。文字スタイルの文字属性の内容は、文字スタイル の定義時にキャレットのあった個所の文字属性となります。
段落スタイルを定義するのも、同様に、[段落]-[スタイル]-[定義]メニューを クリックします。[段落スタイル定義] ダイアログボックスが開きます。

ここに好みのスタイル名を入力して、[了解] ボタンをクリックすると、 段落スタイルが定義されます。段落スタイルの文字属性の内容は、段落スタイル の定義時にキャレットのあった個所の段落属性となります。
このようにして定義した、「文字スタイル」や「段落スタイル」を指定する には、[文字]-[スタイル]-[設定] メニューや [段落]-[スタイル]-[設定] メニューの下にあるスタイル名をクリックします。
スタイル内容に属性の修正を加えるときには、そのスタイルの個所で、まず 文字や段落属性に変更を加えます。その後、[文字]-[スタイル]-[再定義] あるいは [段落]-[スタイル]-[再定義] メニューをクリックすると、修正し た属性内容がスタイルとして再度定義されます。
「文字スタイル」や「段落スタイル」を設定した個所に、文字や段落属性に 変更を加えた後、その変更を解除したい場合には、解除したい範囲を選択し て [文字]-[スタイル]-[純粋] もしくは [段落]-[スタイル]-[純粋] メニュー をクリックします。
通常「段落スタイル」として使える属性は[段落]メニューで指定できる段落 関連の属性のみです。ところが [段落]-[文字スタイル設定] メニューをクリ ックすると、その時点のキャレットの場所の段落属性として文字属性を含める ことができます。
文章中から、特定のスタイルの個所を検索するには、 「文字スタイル」の場合には [文字]-[スタイル]-[検索]、「段落スタイル」 の場合には [段落]-[スタイル]-[検索] をクリックします。 [文字スタイル検索] ダイアロ グボックスあるいは[段落スタイル検索] ダイアロ グボックスで、スタイル名を選択し、[了解] ボタンをクリック すると、そのスタイル名の個所が全て選択されます。

表紙を含む文章を作る場合を考えてみましょう。最初の頁は表紙で、次の頁から を本文にするという文章になります。そしてヘッダもしくはフッダに、ステップ 2 で説明した頁番号の可変文字をつけたとします。ところが、本文の最初の頁で ある頁が 2 頁目となってしまいます。
このような場合には [整形]-[開始頁番号] メニューをクリックして、[開始頁番 号の設定] ダイアログ ボックスを表示します。この開始頁番号とは、文章の一 番最初の頁を何頁目として扱うかという数値で負の値も設定可能です。ここで 2 頁目が 1 頁目として扱われるように、を 0 に設定ます。

すると、次のように最初の頁はヘッダ/フッダ領域が表示されず、1 頁目として 扱うように指定した頁からヘッダ/フッダ領域が表示されるようになります。

ヘッダ/フッダ領域の表示頁をコントロールするには、[整形]-[ヘッダ/フッダ表 示]メニューをクリックし、[ヘッダ/フッダ表示の設定] ダイアログボックスを 表示します。ここでヘッダ/フッダ領域の表示を細かくコントロールすることが できます。

BeatWord には強力なフレーム編集機能がありますが、特に指定しない限り、頁 に対するフレーム編集結果は全ての頁に影響が及びます。特定の頁のみ他の頁と は別のレイアウトを使いたいといったケースでは、次のように、新規にレイアウ トを作成する必要があります。
新規のレイアウトを作成するには次の手順で操作を行います。
1. まず、レイアウトを変更したい頁にキャレットを移動。
2. [整形]-[レイアウト]-[新規作成]メニューをクリック。
3. [レイアウト新規作成]ダイアログボックスに好きな名前を入力 して、[了解]ボタンを押す。

見た目はまったく変わりませんが、以上の操作を行うと、この頁だけ他とは別の レイアウトとして扱われるようになりす。この頁のレイアウトを編集しても、他 の頁には影響は出なくなりますので、フレーム編集機能を使ってこの頁のフレー ムを編集してください。
別の頁を、先ほどの特殊なレイアウトにしたい場合には、次の手順に従います。
1. その頁にキャレットを移動
2. [整形]-[レイアウト]-[変更]メニューをクリック。
3. [レイアウト変更]ダイアログボックスで、[レイアウト名]から、先ほど名付 けたレイアウト名を選択し、[現頁のみ変更]にチェックマークを付けて [了解 ] ボタンを押します。

文章を編集していくと、頁レイアウトをずらしたいケースが出てきます。
| 頁 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| レイアウト | [A] | [A] | [A] | [B] | [A] | [A] | ... |
図のような頁があったとして、1 頁目で、文章を足していったら、今まで 4 頁 目で B のレイアウトだった文章部分が、5 頁目にずれてしまったというケース を考えましょう。5 頁目は A のレイアウトなので、5 頁目を A から B のレイ アウトにして、4 頁目も B から A のレイアウトにしたいという場合です。
この時には、1, 2, 3 のいずれかの頁にキャレットを移動して、[整形]-[レイア ウト]-[頁開き] メニューをクリックしてください。
| 頁 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| レイアウト | [A] | [A] | [A] | [A] | [B] | [A] | ... |
のように、頁レイアウトが頁の終わり方向に一つずれて望むような レイアウトになります。
[整形]-[レイアウト]-[頁詰め]は、[頁開き]の逆操作です。
| 頁 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| レイアウト | [A] | [A] | [A] | [B] | [A] | [A] | ... |
図のような、頁があったとして、1 頁目で文章を削除したら 今まで 4 頁目で B のレイアウトだった文章部分が、3 頁目に すれてしまったケースを考えましょう。
このとき、1, 2 のいずれかの頁にキャレットを移動して [整形]-[レイアウト]-[頁詰め] メニューをクリックしてくだ さい。
| 頁 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| レイアウト | [A] | [A] | [B] | [A] | [A] | [A] | ... |
のように、頁レイアウトが頁の開始方向に一つずれて望むような レイアウトになります。